ティーザーは広告だけじゃない。セールストークのティーザー効果とはどんなもの?
最近「ティーザー広告」という言葉をよく聞くようになりました。
「ティーザー」とは、じらす事です。
もっと知りたい!
もっと見たい!
と思わせて購買意欲を掻き立てる事です。
映画やドラマの告知はティーザーだらけですね。
いいところでブチッと終わる・・・みたいなw
多くは動画を使った広告でティーザーという言葉をよく使うようですが、普通の売り込みで話していることもティーザーです。
でも、セールスで使うティーザーは慣れないとダサいものになりがちです。
「これ以上は買っていただかないと見せられません」
と、ダイレクトに言ったりw
スマートなティーザーは、購入するとかしないとかいうジャッジとは少し距離を置いたものです。
ちょっとイメージしにくいですねw
先日、録画していた「パラサイト 半地下の家族」を見たのですが、見事なティーザーがあったので、ちょっとご紹介します。
前回のアカデミー賞を獲得で話題になりましたね。
最近ようやく見ましたw
話の中心になる半地下に住む家族は、貧しさゆえにずる賢さに磨きが掛かり、いつの間にか詐欺師集団になって、金持ち一家に入り込んでいくというストーリー展開です。
そもそも、ティーザーは詐欺師に学ぶのが一番いい気がします。
やっぱり上手いでしょうしw
そういう詐欺師を物語に登場させる作家は、もっとティーザー上手ですよね〜きっと!
さて、私が感心したティーザーは、半地下一家の息子の言葉です。
息子にはエリートの友人がいます。
その友人から、
「留学のために家庭教師が続けられなくなったから、お前が代わりに行ってくれ」
とバイトを振られます。
そして息子が紹介された豪邸に赴き、最初の授業でのシーン。
教え子は受験を控えた高校生の女の子です。
初対面で緊張しながら机に向かって問題を解いています。
すると、解けない問題にぶち当たります。
普通の家庭教師ならその問題の解き方を教えるでしょう。
その教え方がうまいかどうかで、良い家庭教師かどうかを見られる訳です。
受験で合格を勝ち取るためには、正解を増やして高得点を取ることが大事なのですから。
ところがその息子がここで言うことが凄いんです。
息子は黙って、ジワッと、彼女の手首を握ります。
見ている方もちょっと「え?何?」と違和感・・・。
するとこう言うのです。
「もしこの問題が試験の1問目だったら君は勝てない。ほら、こんなに動揺して脈が上がっている。試験は勢いが大切だ。分からない問題に動揺していては試験は突破できない」
と、まぁ、こんな感じのことを言うのです。
授業の様子を見ていた母親は、感心してすぐに彼を信用してしまいます。
娘は胸キュンでイチコロですw
私は、これこそがティーザーだと感じました。
彼は、まだ信用してくれていない母親に対して、根拠ない「本物感」を売り込んだのです。
いや〜・・・こういう細かいところの脚本が凄いな〜と思いました。
ティーザートークというのは、「ここまでは無料です」なんて単純なものではありません。
そんなトークでは安物しか売れませんw
それよりも、誰も言ってくれなかったような問題点を指摘して、期待値を上げる方がよっぽどいいティーザーになります。
ヒットする映画やドラマには、ストーリの面白さだけでなく、引き付けられるティーザーがよくあります。
すごく勉強になると思います。
ティーザーが上手い人はセールスだけでなく、人間力もあります。
しかも、セールスでどのようなティーザーを演出するかは、めちゃくちゃ重要な部分です。
しかし、簡単に獲得できるトーク術ではありませんから、普段の会話でもティーザーを意識しないといけません。
プレゼンのような発表の場でも、この力があればすごく説得力のあるものが作れるはずです。
人を動かすのは、商品の良さや情熱や傾聴だけではないということですね。
もっともっと言葉の力を磨き続けましょう!
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2020.11.16